みなさんは初めてあった人時は特に印象を持たなかった人でも何回か顔を合わせているうちに親近感が沸いてくるなんて経験をしたことはありませんか?
自分はいつも通勤の時間が同じで、しかも同じ通りですれ違う人がいます。最初はなんとも思っていませんでしたが、毎日すれ違うのでいい加減顔も覚えてしまい、なぜか親近感が湧いています。いつか話す時が来たら盛り上がるだろうなあとか考えています、、、(笑)
これにもちゃんと心理学的な根拠があり、いろんな実験結果もでています。
今回は、そんな何度も会う内に親近感が湧いてくる心理効果についてお話ししていきます。
目次
単純接触効果とは
初めてあった時は何の感情も抱かなかった人でも、何度も繰り返し会っているうちにその人に好意をもつようになる。これを心理学では単純接触効果と呼んでいます。
アメリカの心理学者ロバート・ザイアンスが提唱し、ザイアンス効果やザイアンスの法則とも言われています。
初対面では警戒心があったとしても、何回も会ううちに警戒心は薄まり、いつの間にか仲良くなっている、なんてことは結構ざらですよね。
写真を見せられると好感度が上がる
アメリカの社会心理学者ザイアンスは、次のような実験によって、この原理を証明しています。
大学の卒業アルバムから抜き取った10枚の写真を2枚1組に分けて、それぞれ1回、2回、5回、10回、25回と被験者に見せて、それぞれの写真の人物についてどのくらいの好感度があるのか調べました。その結果、見せられた回数の多い写真の人物ほど、被験者が抱く好感度が上がったのです。見聞きする回数が多いほど好感度が上がり、逆に、見聞きする回数が少ないほど好感が持たれにくいということが分かりました。
また、目にする回数が増えるにしたがって行為や愛着を持つという現象は、人間だけでなく、言葉や漢字、特に意味のない文字にまで影響することも確かめられています。
結婚相手についても、昔からの先輩や後輩、同僚、幼馴染などの結婚が多いのも、この原理によって成り立っていると言えます。
似たもの同士はカップルになりやすい
先ほど、昔からの先輩や後輩、同僚、幼馴染などの結婚が多いとお話ししました。それに付随してこのような実験結果もあります。
アメリカの心理学者バーシャイドが、人はどのような相手を結婚相手に選ぶのかというのを調査したところ、人の心理には自分よりも魅力的な人に拒否されることを恐れたり、自分より魅力的ではない人を拒否しようとしたりする心の動きがあり、その結果、「自分に似た人間をパートナ、つまり結婚相手に選ぶ傾向がある」と結論付けました。
類は友を呼ぶも上に同じですね。
このように似た者同士は結婚しやすいということが言え、これを「マッチング仮説」といいます。
第一印象が悪いと逆効果になる
人間は会えば会うほど好意が増し、好感がでてくると言いましたが、例外もあります。
大前提に単純接触効果が成り立つのは第一印象が悪くないという事が必須です。
これも実験結果で出ているみたいですが、第一印象が悪い状態で何度も何度も会うと、逆に嫌われる可能性もあるみたいです。
第一印象もやはり大事ですね。
第一印象がいかに大事かまとめている記事もあるので、興味がある方は読んでみてください。
日常生活での単純接触効果活用例
それでは、単純接触効果をどのように生かしていったらいいのか具体的に3つに分けてみました。
頻繁に会うようにする
基本的にはこれです。単純に仲良くなりたい人や落としたい人と頻繁に会うように心掛けでみましょう。
なかなか話す時間が取れなかったり、長い間会う時間がなかったりする場合は、会釈や挨拶をしに行くだけでも構いません。
むしろ、挨拶はしなくてもいいから、お互いに顔を会わせる環境をできるだけ多く作りましょう。
頻繁に連絡をとる
最悪会えない場合は連絡をこまめに取りましょう。
最近だとSNSやラインが多いですが、それで構いません。
相手の負担にならないように、短文や返しやすいメッセージを心がけて、連絡することが大事です。
メッセージを送る内容も大事ですが、当たり障りのないことでもいいので、お互いのやり取りがスムーズになるまで意識してみましょう。
自分を思い出してもらうものを上げる
これに関しては、相手との距離などもあり、やりすぎは注意ですが、単純接触効果が見込める行動です。
もらったものを見て、思い出してもらえれば単純接触効果が働きます。
あげるものは、簡単なものでいいと思います。
旅行のお土産とか何かしてもらった時に形に残るものをあげるとか、そのくらいの軽い気持ちでプレゼントしましょう。
そこまで親密な関係でもないのに、あまり高価なものをプレゼントするのは相手も少し気が引けますし、かえって逆効果になる場合もあるからです。
単純接触効果まとめ
単純接触効果は、人と人との関わりでとても重要な役割を果たす心理効果です。
人とのコミュニケーションが上手で、誰とでも仲良くなれる人なんかは、無意識のうちに単純接触効果を使っているケースが多々あります。
営業や恋愛など様々なシーンで活用可能なので、是非参考にして頂ければ幸いです。