心理学のテクニックの1つにローボールテクニックというものがあります。
これは自分の意見を通しやすくするためによく使われるテクニックです。
それではローボールテクニックとはどんなテクニックなのでしょうか?
ローボールテクニックとは
ローボールテクニックとは簡単にいうと初めに相手が承諾しやすい好条件をだして、相手が承諾した後徐々に相手に不利な条件を示すという心理テクニックです。
ローボールとは野球の投球術でいうところの誘い玉です。打ちやすそうなボールで打者を誘い込むわけですが、実際にはストライクゾーンからかなり外れていて打ってもヒットにはなりにくい。そんな意味を込めてこのようなテクニック名になっています。
これは心理学の「一貫性の法則」という法則を活用したもので、一貫性の法則とは一度承諾をしたり発言したりしたことは貫き通したいという人間の心理です。
これを利用して相手の承諾を得やすくするのです。
ローボールテクニックの使用例
実際にローボールテクニックの例を挙げてみます。
例えば、心理学の学校で
「簡単な心理学の実験に参加しませんか?」
と聞かれたとします。簡単なものなのですぐに終わるだろう、そう考えるのが妥当なので半分以上の割合の人が同意したとします。
しかしその後に
「心理学の実験の開始時間が朝の8時からなのですが、よろしいですか?」
と若干悪条件な提案をされました。
朝が早いので嫌だという人が多いと思うのですが、この順番で質問をしたらほとんどの人が大丈夫ですと答えるのです。
逆に最初から朝の8時に心理学の実験を行いますので参加しませんか?と聞いたところ先ほどの半分以上人が不参加と答えたデータもあるそうです。
他にも日常生活で、セール品などの販売と定価販売の同時売りなどのそうですね。
お店にはセール実施中○○%OFFという張り紙がたくさん貼ってあり、いざお店に入り見ていると店員さんに勧められて気に入って買った商品が結局新作の低下の商品だったなんてのもローボールテクニックの1つですね。
よく似たフットインザドアとの違い
ローボールテクニックのとよく似た心理テクニックにフットインザドアというテクニックがあります。
これも「一貫性の法則」を利用したテクニックで相手に承諾してもらいやすくなります。
フットインザドアとは、最初に小さな頼みごとをしてその頼みごとを一つ一つ大きくしていく心理テクニックです。
いきなり大きな頼みごとをするのではなく、小さなものから頼むことで信頼しやすくなるのです。
このフットインザドアとローボールテクニックの大きな違いは1つで、不利な条件は最後まで知らせないという点です。
ローボールテクニックはいい条件を最初に承諾させて、悪条件なものは最初に言いません。
ここが違いになります。
ローボールテクニックまとめ
いかがでしたでしょうか。
こういった心理テクニックを知っておくと、日ごろ相手に受け入れてもらいたい、自分の意見を通したいという時にかなり役に立ちます。
営業、仕事、日常で思いついた時に使ってみてください。
しかし、こういった心理テクニックを利用して詐欺をする事件も過去に起きています。
いろんな場面で使えることは多いのですが、相手に騙されたと思わせてしまうような派手なものはできるだけ控えたほうがいいかもしれません。
逆にこの心理テクニックを知っておけばまず騙されることはないでしょう。